前回はエッセンシャル思考の概要と、実践する難しさについてお伝えしました。
今回より全3回にわたってエッセンシャル思考を実践するためのテクニックをご紹介します。
見極める技術 ・・・今回はココ
捨てる技術
しくみ化の技術
エッセンシャル思考の人は、なるべく時間をかけて調査・検討し、意見を交わしじっくりと考えます。
そうすることで初めて、本当に重要なものを見極めることができます。
本当に重要な物事を「見極める」ために必要なポイントは以下３点です。
・考えるためのスペースを作る・・・じっくりと考える余裕
・情報の本質をつかみ取る ・・・情報を集める時間
・最も厳しい基準で決める ・・・何を選ぶかという厳格な基準
立ち止まって見極める時間こそが、生産性を高めるための特効薬です。
重要だと見極めたポイントに集中して力を注ぐことで生産性を高めることができます。
考えるためのスペースを作る
多数の瑣末なことの中から少数の重要なことを見分けるには、誰にも邪魔されない時間が不可欠です。
ただし、この忙しい世の中で、そんな余裕が自然に生まれるわけがありません。
あえて時間を取らなければ、誰も考える余裕など与えてくれません。
以前の私は他人のスケジュールや依頼事項を優先して、自分が考える仕事は夕方以降にするなど後回しにしていました。
もちろんメール、チャットは即レスを意識して目についたものから返していました。
そうすると夕方やろうとしていた「考える仕事」の時間は後ろ倒しになり、取り掛かる頃には思考する気力も体力もない状態に陥っていました。
今では時間の使い方を大きく見直して、スケジュールをコントロールしています。
午前・・・思考する時間 午後・・・客先訪問や打ち合わせ 夕方・・・事務処理
重要な商談やトラブル対応以外は、午前中にその日に最も終わらせたい仕事や考える仕事を最優先にしています。
メール、チャットも即レスは意識していますが、チェックする時間帯を始業後、午後イチ、終業前と時間を区切るようにしました。
意識して時間を作る（コントロール）することで自分自身の生産性は向上したと実感しています。
情報の本質をつかみ取る
相手の話を聞いていて、ポイントを見失うことはないでしょうか。
情報量に圧倒され、何をどうすればいいかわからなくなることは？
依頼が次々に積み上がり、何からやろうかと途方に暮れたことは？
あらゆる事実には、本質が隠されています。
単に情報を受け渡すだけなら、誰にでもできます。
本書ではジャーナリストのように本質を見抜く目が必要であるといっています。
本書に本質を見抜くための例が大変わかりやすく載っていたのでそのまま記載します。
ビバリーヒルズ高校のシムズ教諭は生徒たちに話の要約を書くと言う課題を与えました。 ストーリーはこうです。
ビバリーヒルズ高校のピーターズ校長は今朝、職員一同に研修旅行の知らせを告げた。
来週木曜日、職員全員でサクラメントへ行き、新たな教育メソッドに関する会議に参加する。
当日は人類学者のマーガレット・ミードや教育学者のロバート・M・ハッチンズ、カルフォルニア州知事のパット・ブラウンによる公演も予定されている。
要約は最初の数行で、情報の本質を伝えなくてはいけません。
あなたならどの様にまとめますか？
正しい要約は「来週木曜日は学校が休みだ」です。
ジャーナリズムとは単に事実を繰り返すことではなく、核心を見抜くことです。
それがどう言う意味を持ち、なぜ重要なのかを理解する必要があります。
仕事をしている中で、色々な人から至急〇〇して欲しい、と依頼を受けることはないでしょうか。
その理由、背景を確認するとお客様から依頼された、上司からこう言われた、と依頼者自身が単なる伝書鳩になっているケースもあります。
核心からズレた回答をすると手戻りになります。
目的、背景を整理して、核心を見抜く力を養うことが重要です。
最も厳しい基準で決める
エッセンシャル思考は「重要だと思えることだけに集中する」ことを謳っています。
そして重要なことの基準は「９０点以上」といっています。
実際、サラリーマンをやっていると上司やお客さんから多種多様な依頼を受けるので、９０点以下の仕事は全て受けないと言うのは難しいかもしれません。
そこで舞い込んでくる仕事やチャンスを正しく選別する方法も記載されていたのでご紹介します。
最低限の基準を満たしていないチャンスはもちろん却下。
そして理想の基準を満たしていないチャンスも、やはり却下とします。
すべて満たしているものだけが、考慮に値するチャンスと言うことになります。
これはあくまでも参考です。大切なのは日頃からチャンスに対する意思決定する基準を持っているか？と言うことです。
仕事は毎日、決断の連続です。決断する際の価値基準を日頃からアップデートしていくことが大切だと私は感じました。
まとめ
私たちは決められた時間の中で成果を出し続けることを求められています。
日々忙しい中で目の前の事ばかりに気を取られがちですが、立ち止まって見極める時間を確保する事の大切さを学びました。
そうするには自分で仕事をコントロールする必要があります。
コントロールするために自分自身の価値基準を日々磨きながら、見極める力を高めていきましょう。
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