かけた時間に対する満足度を示す、タイパ(タイムパフォーマンス)―― 。費用対効果を意味するコスパから派生したこの言葉を、最近よく耳にするようになりました。
とりわけ「タイパ」志向が高いのが、Z世代。
彼らの多くは、ドラマや映画などのコンテンツを観る時、再生速度を速めて「倍速視聴」をするといいます。
情報やコンテンツ過多の現代、できるだけ無駄な時間を費やしたくない、と思うのはZ世代だけではないでしょう。
時間は万人に平等なものであり、貴重な資源です。ビジネスパーソンにとっても、時間をうまく使って成果をあげることは重要課題です。
そんな中、日刊SPA!に日本人が世界一「無駄な仕事」に時間を掛けていると言う残念な記事が載っていたので紹介します。
記事の内容
この記事では「無駄な仕事」のことを「雑務」を指しています。
1%は年間20時間に相当し、日本はグローバル平均より概算で64時間も多い計算になります。
改善が進まないのは、日本特有の理由が挙げられています。
「解雇規制が強すぎてクビを切れない社員に、企業は何もさせないわけにいかない。こうしてムダな事務作業が彼らの仕事となり、雑務は温存されている。」
しかし、私はそれ以外にも理由が挙げられると思います。
グレッグ・マキューン著「エッセンシャル思考」の中に現状維持バイアスとその対策が書かれています。
現状維持バイアス
いつもやっているからという理由でそれをやめられない傾向を「現状維持バイアス」と呼びます。
あなたの会社でも古臭い制度や紙ベースでの業務が残っていないでしょうか。
当たり前のようにそこにあるものを、人は無条件に受け入れがちです。
ゼロベース思考
会社や部門で予算を立てる時、普通は前年度の実績をもとにして考えます。
しかし、前年度までの予算を無視して、ゼロから考えるのが「ゼロベース予算」と言うやり方です。
手間のかかるやり方ですが、
- 現状にとらわれず効率的なリソースを配分できる
- 過大な予算申請に気づきやすい
- 業務の非効率な点が見えてくる
- 各部門が予算の利用目的を明確に意識できる
などメリットは大きい事がわかります。
こうしたゼロベースの考え方を自分の仕事や生き方に当てはめるのが「ゼロベース思考」です。
私も人事異動で新しい部署に配属された際、前任者からの引き継ぎであまりにも無駄な報告フォーマットや事務処理の煩雑さに驚いた事があります。
私は現状を理解するために1ヶ月間は引き継いだ内容の通り業務を進めましたが、報告や事務処理を進める中で関係者に確認を取りながら、自分にも周囲にも手間のかからない方法に見直しました。
まとめ
厚生労働省が2020年に報告したデータによると、2019年における入社3年以内の離職者は約3割です。
離職する主な理由の一つに「仕事に面白さを感じない・合わない」が挙げられています。
自分の適正と配属部署・与えられた役割が合っていない、と感じることに加え、上記のように「雑務の多さ」を感じるタイパ重視の若者も少なくないかも知れません。
改めて自分の身の回りの業務で無駄な仕事がないか見直し、タイパ良く成果をあげていきたいと考えさせられました。
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